クライネス・カフェー

Last-modified: Sat, 17 Jul 2010 12:21:00 JST (2777d)

 ヴィーンの文化はカフェー(Café)に集まった人たちがカフェー(Kaffee)を飲みながら議論したことで発展したと言っても良いのではないだろうか。大きくて豪華な店もあれば小さくて粗末な店もあって実に様々だ。

 飲み物としてのコーヒーもカフェー、喫茶店もカフェーでカタカナで綴ると同じなのだが、店の場合は<フェー>の方にアクセントがあるのに対して、飲み物の方は<カ>にアクセントがある。おまけにフランス語起源の Café は中性名詞、ドイツ語の Kaffee は男性名詞なので少しややこしい。見出しのクライネス・カフェーは「小さな喫茶店」ということで、ここでは店の名前である。

 さてこの店、僕自身は史跡探訪に便利な足場としてかなりの回数利用したが,行ってご覧と人に薦めるつもりなど毛頭ない。粗末なテーブルが4つばかりと小さなカウンターがあるだけの、ごく平凡な、何処にでもありそうな文字通り「小さな喫茶店」で、この店がなぜ「地球の歩き方」に載っているのか理解に苦しむのだが、もしかすると、小さくて粗末な店の見本として取り上げられたのだと考えられなくもない。

 カウンターを隔てて向こう側の一角は立ち飲みのバーになっているらしくにぎやかで、落ち着いた雰囲気など求められないし、その店で何度か飲んだメランジュ(ミルクがたくさん入ったコーヒー)が特に美味しかったわけでもない。ただ、有名なデーメルなどのように各国からの観光客でごった返しているような喧噪感は全くないから、何度か来て慣れれば意外に座り心地が良くなってきて、昔ながらのヴィーンに居るような気分にはなれる店だ。