「ナクソスのアリアドネ」 -6.6

Last-modified: Fri, 08 Feb 2008 09:48:16 JST (3902d)

 シュターツオーパーで「ナクソスのアリアドネ」を見た。R. シュトラウスは素晴らしい。オペラは「薔薇の騎士」に次いで2つ目だが、「英雄の生涯」などの器楽曲も含めてヴィーンに来てから親しめるようになった作曲家の一人で、妙に、モーツァルトとの近親感を持つ。「薔薇の騎士」はモーツァルトを指向して書かれた作品だから当然かも知れないが、今日の「アリアドネ」にも共通して流れているものがあると感じる。いつかドブリンガーで見た、ホフマンスタールとシュトラウスの往復書簡をぜひ買って帰りたい。

 今日の「アリアドネ」はオケの編成が小さいためもあって、歌い手が絶叫する必要が全くなく、しみじみと聞かせてくれる。3人の妖精のアンサンブルなど、シューベルトの子守唄が始まったのかと思うような古典的なハーモニーだし、ドイツオペラに共通する特徴として、重唱が特に素晴らしい。

 アリアの美しさを主とするイタリア物と明らかに違う点で、どちらを良しとするかは好みの問題だろう。私はドイツ物の方が好きだ。ツェルビネッタ役の Natalie Dessay のコロラトゥーラが素晴らしい。主役のアリアドネ役によりも、彼女へのアンコールの方が絶大だった。

 バルコンの席は今日が初めてだが、音の通りも良いし、よく見える。斜め前の1列目に新婚旅行らしい日本人のペアーがいたが、交代で居眠りをしている。心身ともに疲れている感じで、微笑ましくもあり、気の毒な感じでもある。

 左隣りの何人かはフランス人で、プログラムを買うための案内係とのやり取りが面白かった。ドイツ語は判らない。案内係が英語は話せるかと聞くと、やはり判らないと言う。結局100シリングの札を出して釣りを貰ったが、まるまる受け取ってしまった。チップの出し方も判らなかったのか、判らない振りをしたのか。フランス人の依怙地さを垣間見たような気がした。